第99話 ラストクリスマス
〈がん患者の家族の体験記〉
このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。
今日は、2018年12月の日記を読み返してみました。
2018年12月25日(火)の日記
・今日はクリスマス。今日という日を何とか過ごすことができた。
・今朝、サンタクロースからプレゼントが届いた。『いつもと同じ朝』という最高の贈り物だ。
・これほど素晴らしい贈り物はない。うれしい。
・サンタクロースさん、ありがとう。
〈2018年の12月〉
クリスマスの数日前のことです。会社から帰ると妻の元気がありませんでした。ソファに座る妻の足をマッサージしながら話を聞くと「残念だけど体調は悪化していて、不安な気持ちで一杯だ」とのこと。そして「もっと生きていたい」と涙を流しながら話してくれました。
私は妻の足をさすりながら何も言えず、ただ一緒に涙を流していました。
〈クリスマスの贈り物〉
24日のクリスマスイブは、私は赤ワインで妻はトマトジュースで乾杯しました。そして25日のクリスマスを迎えました。私が21歳で妻が19歳の時に出会ったふたりにとって37回目のクリスマスです。
最期となったクリスマスもふたりで仲良く過ごすことができました。
お読みいただきまして、ありがとうございます。
・次回の家族日記/第100話は
〈腸閉塞〉
を2022年8月6日(土)を予定しています。