第104話 最強の処方箋
〈がん患者の家族の体験記〉
このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。
今日は、2019年5月の日記を読み返してみました。
2019年5月11日(土)の日記
・母の日の前日ということで、Mくんファミリーが訪ねて来てくれた。Mくんは先週も会ったがまたまた大きく成長していて可愛さ倍増だ。
・カーネーションとアルバムとメッセージを届けてくれ、ママは感激して涙を流していた。
・午前中は、訪問美容師さんに髪を切ってもらいサッパリして、夕方からはMくんファミリーのおかげでうっとりしていた。
※ Mくんファミリー:Mくんは孫のことで、Mファミリーは孫家族のこと。
〈2019年の5月〉
5月1日から元号が「令和」に変わりましたが、私たち夫婦の不安を抱きながらの日々は変わることなく続いていました。この頃の妻は、午後になると体温が38°を超える事がありました。
4日(土)は就職して一人暮らしをしている娘が泊まりに来てくれました。妻と長い時間楽しそうに話をしていました。5日(日)は息子家族も訪ねてくれました。生後9か月の孫を見ながら、皆で母の日と子供の日と私たち夫婦の結婚記念日を祝ってくれました。息子家族は11日(土)にも訪ねてくれました。
色々な治療で身体を整えながら9年間を過ごしてきました。病気になると身体だけではなく心の調子を崩すこともあります。心の調子を整える最高の治療は “家族とのひと時” だと思います。そんなことを痛感しながら、毎日を大切に過ごす5月でした。
〈健やかであること〉
健康診断や検査の結果を見聞きする時に、標準値以外の数値がないと安心します。その逆に標準値以外の数値があると心配します。私はできるだけ一喜一憂せずに受け止めようと心がけてきましたが、実際には気にしていたと思います。身体の状態を示す数値に心を奪われ過ぎず、平常心の気持ちでいる事を “健やか” というのだと思います。
日々を健やかに過ごせる自分になれる様に暮らしていきたいと思います。
お読みいただきまして、ありがとうございます。
・次回の家族日記/第105話は
〈妻の宣言〉
を2022年8月24日(水)を予定しています。