第53話 肝臓転移の疑い
〈がん患者の家族の体験記〉
このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。
今日は、2015年2月の日記を読み返してみました。
2015年2月28日(土)の日記
・J大付属練馬病院で、先日実施したPET-CTの検査結果を聞いた。消化器系の再発や転移はないが、左肝臓に集積が見られたため、改めてMRI検査を実施することになった。
・転移や新たなガンでないことを切に祈る。
・ママは再検査。Nは国家試験の第1日目だった。Eは就職活動。みんな正面から向き合って頑張っている。
※ N:息子のこと。E:娘のこと。
〈2015年の2月〉
2010年12月の大腸がんの手術の後、2012年8月に卵巣に転移したがんの手術を行いました。その後は、不安の連続でしたが穏やかな日々を過ごすことができていました。しかしこの日の検査結果は “肝臓に疑いあり” でした。身体の奥が震えるのがわかりました。J大付属練馬病院のM医師は、妻と私に検査の結果をわかり易く伝え寄添ってくれました。聞く私たちも辛いですが、話すM医師も辛かった事と思います。
〈患者本人と患者家族〉
3月になると「MRI・CT・肝臓の超音波・胃カメラ・心電図・血液」などの検査を行いました。数日にわたる検査でした。結果を聞くことが怖い日々でした。
患者である妻と患者の家族である私の目の前には “がん” という病気がありました。大変残念なことですが、これが現実でした。
妻は再発や転移への不安とその先に見え隠れする死への恐怖。これに耐える日々だったと思います。患者の家族である私は、再発や転移が起きないようにするためにどうしたら良いのか、不安と恐怖にある妻をおだやかな気持ちになってもらうにはどうしたら良いのかを考える日々でした。考えて行動するのですが的外れなことも多く反省の日々でもありました。
お読みいただきまして、ありがとうございます。
・次回の家族日記は
〈肝臓への転移〉
を2022年2月26日(土)に予定しています。