がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第63話 新たな治療に挑戦

〈がん患者の家族の体験記〉

このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。

今日は、2015年12月の日記を読み返してみました。

 

2015年12月2日(水)の日記

・今後の治療についてママと話をした。
  ①「テーラーメイドがんペプチドワクチン療法」 
  ②「陽子線治療」 
  ③「丸山ワクチン
  ④「温熱療法」
  ⑤「針」
・ママは腹膜播種について、どれだけ大変な病気なのか知らなかった様だ。代替療法について「効くのかしら」と言っているが、副作用のないものであれば治療を受けてみたいと私は思う。
・ママ本人の気持ちを最優先にして決めていこう。

f:id:friendly2019:20220327105635j:plain

青空に浮かぶ希望の雲

〈2015年の12月

大腸と卵巣と肝臓の腫瘍は手術で取り除くことができました。次は、骨盤底付近に播種した腫瘍が相手でした。3つの標準治療のうち手術は実施できません。放射線治療は他の臓器を痛めることがあり、消去法で抗がん剤治療を選択するしかありませんでした。
しかし、過去の抗がん剤治療の副作用の経験から選択しませんできた。

いくつかの集まりで「抗がん剤治療を断ったら、医師から『治療をしないなら、通院しなくて良いですよ』と言われた」などという話を聞いたことがあります。おかげさまで妻の主治医のM医師は、その様なことは口にせず代替療法についての相談に乗ってくれました。さらに治療データなどを用意して、代替療法先の医療機関に送付してくれました。代替療法の経過や結果についても共有してくれました。ありがたいことです。

代替療法の実施〉 
2015年12月24日~翌年1月27日までに20回の陽子線治療を実施しました。放射線治療との違いは、他の臓器を痛めることが少ないことでした。陽子線治療の後には、樹状細胞ワクチン治療、丸山ワクチン治療、漢方薬治療、サプリメント治療などを実施しました。秋田県玉川温泉山梨県の増冨温泉での湯治も継続しました。
どの治療方法の効果なのかはかわかりませんが、2016年7月頃には、骨盤底付近の腫瘍は小さくなっていました。

妻は家族や先生と相談して最終的には自分で治療方法を選択していました。自分で決めていたので治療結果がどうであれ、他者のせいにすることは一度もありませんでした。立派だと思います。

そんな妻の生きる姿から、私も子供達も多くのことを学びました。

                              

お読みいただきまして、ありがとうございます。

・次回の家族日記/第64話は

 〈妻の一人暮らし〉

を2022年4月2日(土)に予定しています。