第72話 誕生日の贈り物
〈がん患者の家族の体験記〉
このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。
今日は、2016年9月の日記を読み返してみました。
2016年9月18日(日)の日記
・ママの54歳の誕生日だ。おめでとう。
・無事に迎えることができたことに感謝している。ありがとう。
・「第49回清瀬管弦楽団演奏会」に行った。チャイコフスキーの曲を聴いた。とても良かった。
・演奏会の後、Eと合流して好楽飯店で食事。
・帰宅後はEからのお土産 “千疋屋のケーキ” を食べた。
・NとIちゃんから「誕生日おめでとう」の電話がかかってきた。
・あたり前に思ってしまうことが実現できる。あり難きことである。
※E:娘のこと、N:息子のこと、I:息子の彼女のこと(7日後に結婚)
〈2016年の9月〉
2010年12月にがんと言われ5年9ヶ月が経過した妻の誕生日でした。丸5年を経過できたことへの感謝の気持ちで溢れていました。この日から7日後の日曜日は、息子の結婚式が控えていました。娘も社会人となり落ち着きました。
ほぼ一人で子育てを頑張ってきた妻にとって、子供たちの自立した姿は、子供たちからの最高の誕生日の贈り物だったと思います。
〈息子たちの結婚式〉
息子と彼女の結婚式。前日は雨でしたが当日は晴れでした。結婚式も披露宴も、ふたりで考えて準備したとてもステキな結婚式でした。
この日、息子と彼女のふたりが多くの方々に祝福されている姿をたくさん見ました。
私と妻のふたりは、新しく生まれたファミリーを一緒に見ることができました。
幸せの気持ちとは、こういう時の心の状態を言うのだと思いました。
お読みいただきまして、ありがとうございます。
・次回の家族日記/第73話は
〈大腸コロノグラフィ検査〉
を2022年5月4日(水)を予定しています。