がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第57話 3回目の術後診察

〈がん患者の家族の体験記〉

このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。

今日は、2015年6月の日記を読み返してみました。

 

2015年6月27日(土)の日記

・J大付属練馬病院で術後の定期的な診察が再開された。肝臓は異状なく、がんマーカーの数値も標準値内だった。CA125の検査結果は外注のため、結果は木曜日になるとのこと。この数値が高くなっていないことを祈る。
・病院の帰りにママと練馬でランチ。その後、練馬宅を訪ねたがおじいちゃんの様子から、少しボケ始めたかなと思った。

  ※ CA125:卵巣がんの腫瘍を調べるマーカーのこと。

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生きる力を感じさせてくれる草木

〈2015年の6月

5月8日に手術を終えて5月17日に退院しました。5月28日に退院後初の外来に行き、6月27日から経過観察が始まりました。CEAやCA19-9、CA125等のがんマーカーの検査や炎症や感染症を調べるCRP検査等を継続していました。
これらの検査は、検査時の体調等の影響なのか標準値を超えることもありました。私は検査結果を時系列に記録して “推移状況” を見るようにしていました。
がんマーカーの数値は大変気になる数値でしたが、やはりPETやCTやMRI等の画像検査の結果が重要だった様に思います。

6月27日の検査結果で異状所見がなかったことに安堵しました。

〈鈍感と敏感〉 
日記を書くことによる “ありがたみ” は、1年以上経ぎた後に出始める様に思います。例えば2015年6月の日々の文章を読み返すと、腹膜播種の拡大を心配したり、妻の言葉から取越し苦労をしたり等、消極的な文字がいくつも並んでいます。
一方で、娘宛に第一志望の企業から内定の結果が届いたり、社会人1年生の息子がお給料で食事をご馳走してくれたり、家族で餃子パーティーをしたり等、楽しい出来事も記してありました。

私の場合ですが、マイナスと感じる出来事は記憶に残り続け、プラスと感じる出来事は忘れてしまうことが多い様です。ところが日記を読み返すと、マイナスに感じる出来事と同じ位の数のプラスに感じる出来事があったことに気がつきます。

マイナスと感じる出来事には鈍感でありたいと思います。そしてプラスと感じる出来事には敏感でありたいと思います。

                              

お読みいただきまして、ありがとうございます。

・次回の家族日記は

 〈不のない瞬間〉

を2022年3月12日(土)に予定しています。