がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第29話 A型インフルエンザ

〈がん患者の家族の体験記〉

2021年11月28日です。今日は、2013年2月を振り返ってみました。

このBLOGは、2010年~2019年までの9年間、横行結腸がん・卵巣転移・腹膜播種・肝臓転移・腸閉塞でも前向きに生き抜いた妻と家族の日記です。

その当時に書いた日記を読み返しながら、患者家族の当時の気持ちを書いてみました。

 

2013年2月9日(土)の日記

・昨日、会社を早退した。体温が38.7度だった。

・今日、念のために診療所に行ったところ「A型インフルエンザ」と言われた。全くの不覚である。日々、気を付けていたのに・・・
最近参加した「業績表彰式」か「北関東支店会議」で感染したのだろうか。手洗いとうがい以外に鼻うがいもしておけば良かった。反省だ。

・ママに移さないようにしよう。

 

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今はない「診療所」の跡

 

〈2013年の2月

最近はコロナの感染予防対策が浸透したことで、インフルエンザの罹患者数は減少しているのだと思います。しかし、この頃の冬場は「インフルエンザ対策の実施」は、職場でも家庭でも重要事項だったと思います。

2012年9月から抗がん剤治療がメインとなっていた我が家で心がけていたことは、白血球が低下して風邪などの病気にかかり易い状態にある妻を、ウイルスから守ることでした。私も息子も娘も、会社や学校やバイト先からウイルスを持ち帰らないように、細心の注意をしながら暮らしていました。

ところが、そんな私がA型インフルエンザにかかってしまいました。面目ない限りで、己が愚か者であることをあらためて自覚しました。
この日から2階の娘の部屋を借りて、治るまで独居生活をしました。食事もドアの前に置いてもらい、会話も携帯電話で行いました。2階のトイレは私専用にしました。

熱が下がり体調も整った頃に、再び診療所で検査を実施してもらい「インフルエンザではない」と言うことを確認してから、独居生活を解き会社にも通うようにしました。

 

抗がん剤治療と副作用〉 

2010年12月に「大腸がんの摘出手術」を実施しました。2011年1月から抗がん剤治療を開始しました。しかし、副作用が強く84日間で中止しました。
2012年8月に「卵巣に転移したがんの摘出手術」を実施し、9月から抗がん剤治療を開始しました。

短期入院して点滴で抗がん剤を注入するのですが、点滴時の吐き気、相部屋での食事時の匂いへの不快感、日常生活での手のしびれ、白血球の低下などの副作用がありとてもつらそうでした。

その頃だったと思います。私は「食器洗い機」を購入し台所に設置しました。これがあれば、手のしびれ対策として良いのではと考えたからです。しかし、妻は使うことはありませんでした。

一人暮らしになったいま、私は自分で台所に立って料理をしたり片づけをしています。そこで思ったのは、「大きくて邪魔だな」と言うことです。結局は廃棄しました。

愚か者を証明する話の続編ですが、手のしびれを感じる妻に「食器洗い機」を買うのではなく、食器洗いを含めた食後の片づけを私がやれば良かったのです。

気づくのが今では遅すぎますよね・・・

                                 

お読みいただきまして、ありがとうございます。

 次回の家族日記は
 〈夫婦で畑作業〉

を12月1日(水)に予定しています。