第92話 結婚30周年
〈がん患者の家族の体験記〉
このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。
今日は、2018年5月の日記を読み返してみました。
2018年5月3日(木)の日記
・今日は、結婚30周年記念日。30年前の市ヶ谷会館での挙式を想い出す。
・ママと結婚したことで、幸せな今日を迎えることができたと思う。感謝。
・今日は、おしりが痛く食欲もなく38°近い発熱があり、帰宅したらソファに横になっていた。夕べのお肉で便が固くなったのだろうか・・・
〈2018年の5月〉
5月3日は30回目の結婚記念の日でした。この日の妻は、発熱があり体調不良の日となってしまいました。数日の間、帰宅すると横になっている妻を見るたびに、心の中でとても心配していました。
5月9日の日記には、帰宅すると妻が座っているのを見て安心したと書かれています。そしてこの日は、3年前に3回目の手術を行った日で「今日は手術から3年目の日だ。ふたりで喜ぶ。ママは涙を流していた」とも書かれていました。
振り子が右に左に揺れる様に、私たちの日々も不安と安心の繰り返しでした。
〈結婚式場ふたたび〉
2022年5月3日に “市ヶ谷会館” を訪ねひとりで一泊しました。結婚式を挙げた施設です。増改築してきれいになっていましたが館内を歩いてみると見覚えのある場所がありました。懐かしく想い出に慕っているとホテルの方が館内を案内してくれました。更に、当時私が書いた「結婚式申込書」なども見せてくれました。かばんの中の妻の写真と一緒に当時を思い出すことのできた一泊二日でした。
妻のおかげで一人になってからも楽しい時間を過ごすことができました。
お読みいただきまして、ありがとうございます。
・次回の家族日記/第93話は
〈妻の入院〉
を2022年7月13日(水)を予定しています。