がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第79話 広がる腹膜播種

〈がん患者の家族の体験記〉

このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。

今日は、2017年4月の日記を読み返してみました。

 

2017年4月7日(金)の日記

・診察のためO三敬病院へ行った。お腹を触診した際に「少しお腹が張っているね」という先生の言葉が気にかかる。
・T大学医学部が研究して民間企業が製品化したサプリを紹介してくれた。O三敬病院の患者さんで播種の広がりを抑えることができた方がいるらしい。

柳瀬川に咲く桜

〈2017年の4

この頃のCT検査の結果には「多発性腹膜播種が増大傾向」と書かれていました。妻の体調は、熱がでたり排便の調子が悪かったりする日がありました。私は自宅近くの職場に異動して短時間勤務者になっていました。午後3時で仕事を終え帰宅すると、妻はぐったり横になっている日があり、とても心配しました。

妻はこのような状態が続いても、太極拳で体を動かしたり畑に顔を出したり、近所の柳瀬川を散歩したりして過ごしていました。無理をせずできる時にできる活動をして過ごしていました。昨年9月に結婚した息子夫婦が遊びに来て、娘も一緒に柳瀬川に咲く桜を見に行きました。

〈苦しいことと楽しいこと

妻は、体調が優れないことや不安や心配事があることがあっても、できることや楽しめることを大切にして過ごす人でした。私は、苦しいことや心配な事があると、そのことに心を奪われてしまい、楽しいことなどは考えられないタイプです。

妻は「ケセラセラ」という言葉を口にしていました。目の前のことを一生懸命にやっていれば、きっとうまい具合に進むから、あれこれと気を揉まないで生きる。
私もこの様な生き方に改めたいと思っています。素晴らしい師匠がパートナーにいたのですから、しっかり見習いたいと思います。

                              


お読みいただきまして、ありがとうございます。

・次回の家族日記/第80話は

 〈肝臓手術から2年〉

を2022年5月28日(土)を予定しています。