第69話 発熱が続く日々
〈がん患者の家族の体験記〉
このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。
今日は、2016年6月の日記を読み返してみました。
2016年6月30日(木)の日記
・ママの体調は今一つすぐれない様だ。発熱が続き排便も落ち着くことなく、毎晩2時頃にトイレに起きている。
・がん患者であるドクター中松氏は「困難を楽しむ」と言っている。病院の主治医に見放された後、自分で治療方法を発明するといった具合だ。見事な前向きさだ。
・今日は6月30日。今年も折り返しである。
〈2016年の6月〉
この6月はSクリニックで樹状細胞ワクチンとリンパ球の活性化治療を受けていました。その影響なのか病変の影響なのか、発熱することが度々あり38度を超える日があったり排便の調子が良くない日もあったりで心配することが多かった時期でした。
28日に、主治医のJ大付属練馬でPET-CT検査を実施したところ、骨盤底の腫瘍は縮小していました。しかし腹膜内に3ケ所の新たな集積が見つかりました。残された標準治療は抗がん剤ですが、私たちは抗がん剤治療ではなく、主治医と相談しながら陽子線治療に続き樹状細胞ワクチンとリンパ球活性化治療を続けていました。
〈標準治療と代替治療〉
日本中で同じレベルのがんの治療が受けられるように “標準治療” というのが定められているのだと思います。手術・抗がん剤・放射線の3種類です。それ以外に、保険の対象外となる先進治療や代替治療があるのでしょう。
私たちは手術を3回実施しました。抗がん剤も実施しました。標準治療以外には、漢方薬、陽子線、樹状細胞ワクチン、リンパ球活性化を実施しました。他にも、丸山ワクチン、びわ温熱療法、玉川温泉、増冨温泉、太極拳、ホメオパシーなども実施しました。
それぞれの治療の効果についてハッキリとしたことはわかりませんが、各治療が相乗効果を生んだのではないかと思っています。どの治療も主治医と相談して実施しました。主治医はこれまでの治療情報を用意してくれました。また各治療の経過や結果については、全て主治医に報告をしました。代替治療について主治医が把握してくれていたので安心できました。
患者家族としての役目は、主治医と各治療の専門医との連携を維持することでした。
お読みいただきまして、ありがとうございます。
・次回の家族日記/第70話は
〈明るく過ごす妻〉
を2022年4月23日(土)を予定しています。