がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第49話 手白沢温泉の旅

〈がん患者の家族の体験記〉

このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。

今日は、2014年10月の日記を読み返してみました。

 

2014年10月11日(土)の日記

・今日は「良い夫婦の会」の旅の2日目。
・早朝の露天風呂から見える星空の素晴らしいこと。感動である。
・昼間は、みんなで鬼怒沼に行った。かなりきつかったがママは喜んでいた。

  ※ 良い夫婦の会:旅行や食事を一緒に楽しむ、ご近所の仲良し夫婦の会。

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ハイキングで行った鬼怒沼



〈2014年の10月

私たち夫婦を含めたご近所の5組の夫婦で、毎年1回は旅行や散歩に行ったり、おいしいお店や誰かのお宅や庭で飲んだり食べたりして楽しんでいました。この年の10月は、手白沢温泉を2泊3日で訪ねました。奥鬼怒温泉郷入口にある無料駐車場に車を止めて2時間から3時間のハイキングをして宿に到着するという少しハードな旅行でした。
その苦労の分だけ、宿は大自然に囲まれています。温泉は “360° 絶景露天風呂” で、昼間は豊かな木々を、夜は大宇宙を眺めながら温泉に入りました。全6室の宿でとても静かな環境で男部屋と女部屋に分かれて楽しい時間を過ごしました。

鬼怒沼散策も少々ハードでしたが、大自然を満喫することができました。

最初の手術からあと2ヶ月で丸4年を迎えようとしていた頃でした。

〈ご近所のありがたみ〉 

この皆さんのお宅と我が家は並んで建っています。妻が病気になる前から仲良くしていただいていました。病気になってからも静かに見守っていただきました。亡くなってからも色々と気にかけていただいています。

私の好きな歌のひとつに「生きるものの歌」があります。以下は、その一節です。

  ♪ もし世界が平和に満ちていても
              悲しみは襲ってくる

  ♪ 殺されなくても人は死に 
              誰もがいつか別れていく

  ♪ 世界が平和でも 悲しい夜はくる

  ♪ 誰もが耐えて生きてゆく

  ♪ 想い出と友達と歌が 
             あなたを支えてゆくだろう

この家に住みて始め25年です。つまりご近所の皆さんとのお付き合いも25年です。良い夫婦の会の皆さんとの “たくさんの思い出” と “皆さんの存在” が、ひとりになった今の私を支えてくれています。

ありがとうございます。

                              

お読みいただきまして、ありがとうございます。

・次回の家族日記は

 〈がんが消えた夢〉

を2022年2月12日(土)に予定しています。