がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第37話 普通はありがたい

〈がん患者の家族の体験記〉

このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、横行結腸がん・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し、当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。

今日は、8年前の2013年10月の日記を読み返してみました。

 

2013年10月13日(日)の日記

・ママと畑で作業をした。あきらめかけていたブロッコリーが回復してきたので二人で喜んだ。うれしい。長ねぎや春菊も頑張ってくれている。すごい‼
・散歩がてら水天宮に行ったら七五三参りの家族がたくさんいた。昔々、我が家も4人のおじいちゃん・おばあちゃん達と一緒にお参りしたことを想い出し懐かしんだ。
・水天宮前にある寿司店「魚三九」で寿司を食べ、駅前で開催しているアイレック祭りを訪ねた。充実した一日だった。

 

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畑の仲間の皆さんと “焼き芋” に挑戦

〈2013年の10月

この月の日記を読み返すと、J大付属練馬病院での定期検査(CT・PET・血液検査)の結果から、再発や転移は見当たらず安心した様子が書かれていました。3ケ月毎に合格点を取らなければならない試験を受けているようなもので、結果が発表される時はドキドキし、数値の変化に一喜一憂していました。先生の「標準値内です」という言葉を聞くことが何よりうれしいことでした。

一方で、私の体調は崩れていたようで「息苦しい」とか「胸痛があった」とか肥大性心筋症に関係する症状や「半身がしびれる」や「歩行がしづらい」とか後縦靭帯骨化症に関係する症状と思われることが、この頃の日記に頻繁に書かれていました。

私は厄介な病気を持っています。この当時、わかっていたのは「肥大性心筋症」「後縦靭帯骨化症」でした。そして今は「ラク脳梗塞」「心尖部瘤」という病気が追加され東京大学に学生として通うことはありませんでしたが、今は東大病院の循環器内科・脳外科・整形外科に患者として通っています。

〈普通にできることのすばらしさ〉 

妻が “がん” という病気になりました。私自身もいくつかの “病気” を抱えました。
そうすると、食べることや飲むことなどに注意が必要になります。起き上がる時や横になる時や外出する時に、心配りや準備が必要になります。
これらの「食べる・排泄する・起きる・歩く・寝る」等の日常のおこないですが、元気な時は “あたりまえ” にしてきたことです。簡単にできたことです。
しかし、病気になると思い通りにはできないものです。おこなう時には、心配りや困難が伴う “ありがたきこと” になります。そんなことを病気になって感じました。

日常のおこないを普通にできること。
これは “あたりまえ” のことではなく “ありがたい” ことなのだと思います。

朝になって目が覚めること。これは奇跡だ!
と思いながら、毎日を迎えています。

                                 

お読みいただきまして、ありがとうございます。

・次回の家族日記は

 〈玉川温泉の旅〉

を12月29日(水)に予定しています。