がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第46話 日記のすすめ

〈がん患者の家族の体験記〉

このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し、当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。

今日は、2014年7月の日記を読み返してみました。

 

2014年7月31日(木)の日記

・1960年7月18日から今日で何日目なのか。計算すると19723日だ。
・日記を書き始めて今日で3646日目。これまでの人生の18%の記録だ。
・70歳まで生きた場合、人生の37%位の記録となる。

 ※ 1960年7月18日:私の誕生日のこと。

 

f:id:friendly2019:20220129092437j:plain

樹齢3,000年(推定)の屋久島 “紀元杉”




〈2014年の7月

妻は2010年12月に大腸がんの切除手術をしました。そして12年8月に転移した卵巣の切除手術をしました。真夏の暑い日だったことを覚えています。
さらに15年5月には、転移した肝臓の切除手術をしました。腹膜播種があり、完治を目指す治療から少しでも長く生きるための共存をする治療へ変わりました。更に18年からは、緩和を目指す治療に変わりました。

私たち家族は、どの時期においてもチームで考えて行動することができました。どの行動も満点とは言えませんが、感情に流されないで過ごすことができたと思います。

〈知らない自分を知る〉 

私は、2004年8月25日(水)に「日記」を書き始めました。今日は、2022年1月29日ですから17年半の間、1行だけの日もありますが書き続けています。
当初の内容は、仕事のことが大半でした。勤務場所が現場から本社に変わり自分を見失いかけ、本来の自分を取り戻すために「日記」を書き始めたのだと思います。

日記開始から6年後の2010年、妻のがん治療が開始された後は、妻の病気のことで埋め尽くされる様になりました。

日記を書き続けてわかったことは、自分の心とは何と曖昧なんだということです。今日は良い日だったのか、喜怒哀楽の原因は何なのか。一日が終わり日記帳を開いて心の中を文字で表そうとすると、曖昧な自分の心が鮮明になってきます。これが日記の良さではないでしょうか。

日記を書くことで “いまの自分” を知ることができます。さらに、妻や家族と過ごした喜怒哀楽の “過去の自分” を振り返ることもできます。過去といまを知れば、未来を予測することもできるのかもしれません。

屋久島の杉の様に “泰然自若” に生きたいと思います。

                                 

お読みいただきまして、ありがとうございます。

・次回の家族日記は

 〈長野旅行〉

を2022年2月2日(水)に予定しています。