がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第21話 卵巣転移の疑い

〈がん患者の家族の体験記〉

2021年10月27日です。今日は、2012年6月を振り返ってみました。

このBLOGは、2010年~2019年までの9年間、横行結腸がん・卵巣転移・腹膜播種・肝臓転移・腸閉塞でも前向きに生き抜いた妻と家族の日記です。

その当時に書いた日記を読み返しながら、患者家族の当時の気持ちを書いてみました。

 

2012年6月8日(金)の日記

・F病院に定期検査の結果を聞きに行った。横行結腸がんの再発・転移は見当たらないと言われ安心した。しかし、輪切り写真を見ていたら卵巣部分に嚢腫があることに気づき、その場で紹介状を書いてもらいU病院に行った。

・U病院ですぐにできる検査を行い、後日MRI検査を実施することとなった。今はその結果を待つ身である。どんなことが何度あってもくじけずにいくぞ!

 ※ U病院:F病院は婦人科がないため紹介された、同じ市内にある産婦人科病院。

 

f:id:friendly2019:20211027092844j:plain

6月の花 “あじさい”



〈2012年の6月

2010年12月の横行結腸がんの手術から順調な経過を過ごしてきました。しかし、6月8日の診察時に「卵巣部分に嚢腫(のうしゅ)がある」と言われました。
F病院には婦人科がなかったため、市内のU産婦人科を紹介されて訪問しました。その日は、すぐに実施できる検査を行い「悪性腫瘍の可能性は低いが、念のためMRI検査をやりましょう」とのことになりました。U病院にはMRI施設がないためお茶の水のクリニックに行って検査を実施し、翌日U病院へ検査結果を聞きに行きました。しかし「F病院の主治医とお話ください」とのことで、4日後にF病院を訪問することになりました。嚢腫があると言われてからF病院を再訪するまでの数日間は、私たちにとって大変長く、とても不安な時間でした。

 

〈がんになったら総合病院〉 

6月22日(金)にF病院を訪ねると「横行結腸からの転移かどうかを確認するために7月2日にPET検査をやりましょう」と言われました。不安は続きました。
この6月は、とにかく時間がとても長く感じました。転移がんだった場合、時間の経過と共に、がんはどんどん大きく成長するのではないかと不安に思いました。
この6月の出来事で、患者家族である私が感じたことは、すべての診察科がありPETやMRIなどの検査ができる総合病院であれば、妻の身体に負担をかけずに、短期間で検査を行い早めに結果を知ることができたであろうということです。

がんという病気は、身体の様々な場所に転移する可能性のある病気です。そう考えると手術を担当していただいたK先生は、私たちに寄り添ってくれた優しくてありがたい先生でしたが、すべての受診科の整っている総合病院であることも大切だと思いました。

                                 

お読みいただきまして、ありがとうございます。

 次回の家族日記は
 〈2度目の入院〉

を10月29日(金)に予定しています。