がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第20話 一期一会

〈がん患者の家族の体験記〉

2021年10月23日です。今日は、2012年5月を振り返ってみました。

このBLOGは、2010年~2019年までの9年間、横行結腸がん・卵巣転移・腹膜播種・肝臓転移・腸閉塞でも前向きに生き抜いた妻と家族の日記です。

その当時に書いた日記を読み返しながら、患者家族の当時の気持ちを書いてみました。

 

2012年5月20日(日)の日記

・ママと「城山公園祭り」に行った。はじめて城山神社に行ったけど、確かにお城のあったことをうかがわせる場所だ。おどろいた。

・夜は「フォレスト・ガンプ(一期一会)」を観た。“奇跡は毎日起きている”。
奇跡とは毎日起きている。実は、毎日の何気ない出来事こそが奇跡なんだ。

・毎日を大切にありがたく過ごす・・・ということを伝えているトムハンクス主演の名作だ。実話らしい。

  ※ フォレスト・ガンプ:1994年公開のトムハンクス主演のアメリカ映画。

 

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城山神社のお祭り



〈2012年の5月

この5月は、四国や中国地方に出張に行っていました。妻の体調のことはいつも気がかりでしたが、自宅を離れるような仕事も以前の様に行うようになっていました。
歩くことはがんに限らず健康に良いと思い、夫婦であちこちに散歩に出かけていました。日記は9年前の楽しい日のことを思い出させてくれます。ありがたいです。

例えば5月6日(祝)には、原宿駅から代々木公園を経てNHK放送センター、そして東武ホテルでバイキング。五反田駅に移動して“ゆうぽーと”で知人が出演するフラダンスショーを観て、池袋にある桂花ラーメンを食べて帰宅したことが書かれています。

また、5月20日(日)は、自宅近くの城山神社のお祭りに出かけました。自宅近くに北条氏のお城があったことに、とても驚きました。

すっかり忘れていましたが、色々な一日を思い出しました。楽しい一日が何日もありました。幸せだと感じた一日を白い紙で、感じなかった一日を黒い紙で表すとしたら、この2日間の出来事は、白い紙で表すことができる一日でした。

白い色の紙が多い一生にすることができたとしたら、それは “幸せな人生だった” と言えるのだと思います。

 

〈毎日がすべて、その瞬間がすべて〉 

お相撲を見ていて思うことがあります。千秋楽での優勝力士への「15日間のいつ頃に優勝を意識しましたか」というアナウンサーの質問に「その日の相撲のことしか考えていませんでした」と答えている力士が多いということです。
その日の相撲に全力を尽くし15日間が過ぎ、その15日間のために日々の稽古に全力を最も尽くした力士が優勝しているのだと思うと、毎日の生活を充実させ幸せだと感じる過ごし方をすることが、自分の人生を飾るための秘訣なのだと思います。

充実した毎日を創るキーワードは、人との出逢いであり出来事との遭遇だと思います。どんな人どんな出来事にも、一生に一度の出逢いや出来事なんだと思って過ごしていきたいと思っています。

                                 

お読みいただきまして、ありがとうございます。

 次回の家族日記は
 〈卵巣転移の疑い〉

を10月27日(水)に予定しています。