がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第12話 妻の誕生日

〈がん患者の家族の体験記〉

2021年9月25日です。今日は2011年9月を思い出してみました。

このBLOGは2010年から19年迄の9年間、横行結腸がん・卵巣転移・腹膜播種・肝臓転移・腸閉塞でも前向きに生き抜いた妻と家族の日記です。

その当時に書いた日記を読み返しながら、患者家族の当時の気持ちを書いてみました。

 

2011年9月18日(日)の日記

ママの49歳の誕生日。無事に迎えることができてありがたいことだ。

Eの文化祭に行き、その帰りに市民センターで開催されていた市民コンサートを聴いて楽しんだ。
市民オーケストラはたくさんの楽器がそれぞれの音を出して一つの曲を奏でていた。全ての楽器が音を出しているわけではなく、ごく小さな音の楽器や音を出していない楽器もある。素晴らしい曲も、ひとつ一つの楽器の奏でる音で出来上がっているのである。音楽は素晴らしい。

市民センターでFさん夫婦に会い、「同心居」で夕飯。

※ E:高校生の娘、Fさん夫婦:隣家のご夫婦、同心居:評判の中華料理店

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ふたりで行った「御嶽山神社」(2011年9月10日訪問)



〈健やかな日々を過ごす

再発や転移を確認する定期検査は続いていました。検査結果を聞く前の待場場所では、いつも不安と緊張に包まれていました。そして、再発や転移がないことがわかると、心の底からホッとしたものでした。
この頃は、おかげさまで安定した日々が続き、家族で楽しい時間を過ごしていました。

ある日は青梅線に乗って御岳山を散歩しました。夫婦・恋人・家族・友人・高齢者・障害のある方とサポートする方など、色々な人の姿を見かけました。そして、御嶽神社で家族全員の健康を祈願したことを覚えています。

妻の誕生日の前日には、西武鉄道が主催する「ウォーキング&ハイキング」に参加しました。池袋~面影橋護国寺への約10㎞の散歩です。オーストラリアやカナダに行くようなビッグイベントではなく、私鉄に乗って身近な場所を散歩するだけなのですが、ふたりで10㎞の距離を散歩できることに、とても感謝することができました。

その夜は、子供たちと駅で待ち合わせて「キッチンジロー」で誕生日会を開催しました。そして、最後は「シダックス」で、家族カラオケ大会で盛り上がりました。

 

〈足るを知ることを知る〉 

妻が “がん” に罹る前から「吾れ、唯だ、足るを、知る」(われ、ただ、たるを、しる)という言葉は聞いたことがありました。しかし、それまでは言葉として知っていただけでした。妻が “がん” に罹ったことで、その意味が心の奥まで浸透しました。
心が変化したことで、少しですが行動に変化が出始めた様に思いました。

                                   

 

お読みいただきまして、ありがとうございます。

次回の家族日記は
 〈マラソン大会参加〉
を29日(水)に予定しています。