がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第11話 手術後初の夏

〈がん患者の家族の体験記〉

2021年9月22日です。今日は2011年7月を思い出してみました。

このBLOGは2010年から19年迄の9年間、横行結腸がん・卵巣転移・腹膜播種・肝臓転移・腸閉塞でも前向きに生き抜いた妻と家族の日記です。

その当時に書いた日記を読み返しながら、患者家族の当時の気持ちを書いてみました。

 

2011年7月16日(土)の日記

暑い夏の日。ママと家事を済ませ、練馬駅大江戸線に乗り換えて両国の「江戸東京博物館」を訪ねた。「東京の交通100年博」という企画展が開かれていた。展示されているものを見て、子供の頃の東京の街を思い出した。

行き先はどこであろうと、ママと一緒であることが楽しい。お昼はおそばを食べた。帰宅して夜は、家族そろって “まぐろ丼” を食べた。旨かった。

 

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しっかりと大地をつかむ樹木の根(柳瀬川)


〈喉もと過ぎれば

妻の入院期間中は、息子と娘と私の3人で手分けをして家事をこなしていました。妻の退院後もしばらくは分業制が続いていたと思います。
しかし会社や学校などの日常生活のリズムが戻るに従って、妻が家事をする割合が少しずつですが増えていきました。

 

〈市内から都内へ広がる散歩〉 

2011年7月は、抗がん剤治療を中止して迎えた、初めての夏でした。いつもは自宅から10分位の所を流れる柳瀬川を一緒に散歩するのが楽しみでした。
平日は妻ひとり、週末は夫婦で散歩を楽しみました。妻の歩くスピードが早くなることで、回復したことを感じていました。

段々と活動範囲も市内から都内へ広がっていきました。両国にある“江戸東京博物館” を訪ねたり、浅草の街を散歩したりしました。夏の暑い中にもかかわらず、浅草の「駒形どぜう」で「どぜうなべ」を仲良く食べました。

きっとあの店のあの味は、今も味は変わらないのでしょう。しかし、一緒に食べる人の存在は “最高の調味料” となり、美味しさは倍になるのだと思います。

とても楽しい時間を過ごすことができた夏でした。

 

                                   

 

お読みいただきまして、ありがとうございます。

次回の家族日記は
 〈妻の誕生日〉
を25日(土)に予定しています。