第6話 日常の生活
〈がん患者の家族の体験記〉
今日は2021年8月18日です。10年前の2011年2月を思い出してみました。
横行結腸がん・卵巣転移・腹膜播種・肝臓転移・腸閉塞でも前向きに生き抜いた妻。
これは、病気の妻と一緒に過ごした9年間の「がん患者の家族日記」です。
当時の日記を読み返しながら、患者家族である当時の気持ちを書いてみました。
2011年2月12日(土)の日記
日中は、資格の大原でシステムの授業を受けた。苦手な科目だったが知らないことを教わりとても勉強になった。
帰宅後に夕飯。家族全員が揃って食べた。夕食後は皆でシダックスに行った。とてもとても楽しい時間だった。NもEも歌いなれていてとても上手だった。ママはイルカの歌を歌ってくれた。私は長渕剛の「幸せになろうよ」を歌った。帰宅して布団に入ったら、Eが私たちの布団にもぐり込んできた。
※ N:息子(当時21歳) E:娘(当時18歳)
〈ふたたび戻ってきた、いつもの生活〉
2010年12月3日に入院して、2011年1月13日に退院。退院から半月ほどを自宅で過ごした妻は、2月1日から小学校の事務の仕事を再開しました。
私も時間を気にすることなく勤務するようになり控えていた地方出張も再開しました。週末も以前から通っていたビジネススクールに再び通うようになりました。
息子と娘は、学校通いに加えて控えめにしていたアルバイトにも精を出し、泊りで行くスノボー合宿などにも参加するようになりました。
この “あたり前” と感じている日常のできごとが、どんなにか幸せで “あり難い” ことであるか・・・ということを、当時を振り返り痛感しています。
〈幸せを感じて過ごす日々と幸せな人生〉
毎日の暮らしの中で本当はあたり前ではなくてあり難い “何気ない日常” 。
この何気ない日常に、ありがたみを感じて過ごすことで、一生を幸せだと感じるのではないかと思うようになりました。
日常の平凡な出来事に幸せを感じて過ごすことが、大切な様な気がしています。
そんなことを感じさせてくれた2011年2月でした。
お読みいただきまして、ありがとうございます。
次回の家族日記は
〈大震災の発生〉
を21日(土)に予定しています。