第101話 夫婦
〈がん患者の家族の体験記〉
このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。
今日は、2019年2月の日記を読み返してみました。
2019年2月19日(火)の日記
・ママと私は仲の良い夫婦かもしれないが、考え方などが違う部分もある。
・それが原因で、お互いにイライラすることは少なくないと思う。
・ママも同じ様に思っていることだと思う。私以上に思っているかもしれない。
・それでも仲良く暮らしていられるのはなぜか・・・
・細かな考え方の違いはあるが、基盤となる大切な考え方が一緒だからだと思う。
・家族を大切にする。相手を思いやる。これは共通の考え方だ。
〈2019年の2月〉
私が21歳、妻が19歳の時にふたりは出会いました。そして7年後に結婚しました。2019年は、ふたりが一緒に暮らす様になって31年が経過した頃です。前半は子育ての時期、中盤は共働きの時期、この頃は老親の介護の時期でした。
育ってきた環境が違いますから、日常生活を送る中で考え方が違うことはありました。妻は私の言動に驚いたり呆れたりしたことが、何度もあったと思います。それでも幸せを感じながら暮らすことができました。妻の辛抱強さに感謝しています。
我が家は4人家族でした。妻と私は「家族の身体や心を大切にする」という事と「家族同士、お互いの悪い所を口にしたり責めたりしない」という点で共通していました。
そのおかげで、いつも仲良し家族で過ごせたのだと思っています。
〈家族理念〉
会社に経営理念があるように、家庭にも家族が最も大切に思い続けるような共通の考え方があるのかもしれません。妻は家族の身体を気遣ってくれていました。食事は手料理でしたし、おやつは手作りでした。また妻は子供たちの考えに耳を傾けていました。例えば進学や就職などについて、アドバイスはしますが反対はしませんでした。さらに妻は子供たちの前で山ほどある私の良くない点を口にすることはありませんでした。
私の平日は、子供たちが起きる前に出勤して夜遅く帰宅する日々でした。週末は、家族で海や山に出かけるのですが、趣味は「家族」だと思っていました。
人はそれぞれ好きな食べ物や趣味などは違っています。違っていても、楽しく食べることを大切だと考えたり、お互いの趣味を尊重すれば、楽しい時間を一緒に過ごせるのだろうと思います。
夫婦のパターンとして「背を向けあう夫婦」や「向き合う夫婦」がありますが、「同じ未来の方を向く夫婦」というのもあるのではと思っています。手をつなぎながら・・・
お読みいただきまして、ありがとうございます。
・次回の家族日記/第102話は
〈夫婦の病気〉
を2022年8月13日(土)を予定しています。