がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第97話 近くへドライブ

〈がん患者の家族の体験記〉

このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。

今日は、2018年10月の日記を読み返してみました。

 

2018年10月14日(日)の日記

・ママと車でN宅へ向かいMくん家族とランチに行った。退院後、初めての遠出だ。
・Mくんは生まれて2ヶ月が過ぎ6㎏近くになる。とってもかわいい。ママもMくんと楽しそうにお話をしている。良かったと思う。
・Mくんをママに合わせてくれたIちゃん、Nに感謝。
・帰りの車の中では、楽しかった分くたびれた様子だったが良かったと思う。

 ※ Mくん:初孫のこと。 Iちゃん:息子のお嫁さんのこと。 N:息子のこと。

時々訪ねた自宅近くのお蕎麦屋さん

〈2018年の10

7月15日に始まった自宅での生活も3か月が過ぎました。オムツを利用するようになり訪問看護と訪問診療を受ける生活は、夏から秋に季節は移りました。
家の外へ出ることがめっきりなくなっていたのですが、孫に会うために車で1時間位の場所に住む息子家族の家を訪ねました。久しぶりのドライブです。妻は息子たち家族が幸せそうに暮らしているのを感じて安心したことだと思います。そして幸せな気持ちになれたことと思います。

私は息子とお嫁さんと孫と大自然に対して感謝しています。おかげさまで妻はかわいい孫と逢うことができました。そして抱きしめることができました。

〈前向きな妻

自宅での新生活では、食事は私が用意する様になりました。と言っても、弁当を買ってきたりする程度の内容でした。ある日のこと、台所に長い時間立つのがつらい妻は「小さめのホットプレートを買ってきて」と私に言いました。
この日から食卓に座り、妻のアドバイスを受けながらホットプレートで調理した料理を一緒に楽しく食べることができました。

以前は散歩をしながら訪ねた自宅近くのお蕎麦屋さんへも車で出かけました。
妻はできなくなったことを嘆くのではなくて、できることを無理せずに挑戦していました。料理をはじめとする家事や自分自身の楽しみの見つけ方など。私は妻からたくさんのことを学びました。子供達も同じ様に感じていたと思います。

妻は、私たちに言葉ではなくて行動でメッセージを伝えてくれたのでしょう。7月27日は、妻の3回目の命日です。そんな妻に伝えたい言葉があります。

『ありがとう』

                               

お読みいただきまして、ありがとうございます。

・次回の家族日記/第98話は

 〈夜中の血便〉

を2022年7月30日(土)を予定しています。