がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第77話 東京十社巡り

〈がん患者の家族の体験記〉

このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。

今日は、2017年2月の日記を読み返してみました。

 

2017年2月26日(日)の日記

東京マラソンが開催されている東京。
・ママとふたりで東京十社の “亀戸天神” と “富岡八幡宮” を訪ねた。亀戸天神はとても穏やかな雰囲気の神社だ。その名の通り、池には一万年近く生き抜いた様な長寿の亀やヤングな感じの亀が何匹もいた。
・亀戸桝本で美味しいお弁当を食べたり、舟橋屋で葛餅をお土産に買って、富岡八幡宮へ向かった。
・むかし通った門前仲町の “魚三酒場” は支度中で “はしもと” は休業中で残念。

切り株に育つ苔



〈2017年の2

東京の街を散歩しようということで、その日の体調とお天気の様子で「東京十社」の散歩を始めました。ふたりとも神社仏閣についての知識はないのですが御朱印帳を購入して、この日は亀戸天神富岡八幡宮を訪ねました。

亀戸天神は静かな境内で、たくさんの亀がいました。近くに舟橋屋の本店があり、妻の両親へのお土産を購入して帰宅途中に届けた様に思います。
富岡八幡宮は、大きな境内に見事な神輿やお相撲さんの石碑がありました。伊能忠敬が日本地図を作る旅に出た場所です。

この日から始まった「東京十社」を巡る散歩ですが、とてもステキな散歩でした。

〈再訪してわかること

この時から4年が過ぎた2021年夏、再び「東京十社」を訪ねてみました。人は忘れやすいものだと思いました。ふたたび訪ねてみると、立ち寄ったお店や美しい景色、食べたものや腰かけて休んだところなどを次々に思い出しました。話した内容もおぼろげながら思い出し、とても懐かしい気持ちで一杯になりました。

ふたりとも一生懸命に生きていたことを感じました。その渦中にいる時には、必死でしたから何かを感じる余裕はありませんでした。いま想い出の場所をふたたび訪ねてみることで、やっとその頃の想いがわかるのかもしれません。

                              

お読みいただきまして、ありがとうございます。

・次回の家族日記/第78話は

 〈がん友〉

を2022年5月21日(土)を予定しています。