第60話 家族で増冨温泉
〈がん患者の家族の体験記〉
このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。
今日は、2015年9月の日記を読み返してみました。
2015年9月22日(火)の日記
・家族でママの誕生会をするために、山梨県の増冨温泉 “不老閣” へに行った。
・行く途中にお墓参りをして、日ごろのお礼とみんなの健康についてお願いをした。
・お墓参りの後は、高尾山の脇を通って昇仙峡に向かった。ロープーウェイで頂上に昇り景色を楽しむ。川のほとりでほうとうを食べ、滝を見て宿へ向かった。
・夕飯時に食堂にいた方々で “ハッピーバースデー” を歌ってもらい照れるママ。
・その後にロビーでミニコンサートがあり、ここでも祝福してもらった。
・素敵な誕生会になった。
※ 不老閣:ラジウム温泉があり、がん患者に人気のある温泉宿のこと。
〈2015年の9月〉
この年の9月18日は妻の53歳の誕生日でした。山梨県の増冨温泉にある湯治旅館 “不老閣” は秋田県の玉川温泉と同様で、がん患者の方が多く訪ねる湯治宿です。縁あって夫婦で何度か訪ねたことがあり、この時は妻の誕生日と手術の無事を祝うために家族みんなで行きました。
このブログを作成するために写真探しをしました。お墓参りの様子、昇仙峡の様子、ほうとうを食べる様子、滝つぼを見る様子、宿での食事や温泉やコンサートの様子など、楽しい笑顔の写真がたくさんありました。懐かしく思います。
幸せの瞬間が、たくさんありました。
〈街にいる哲学者〉
先日、NHKの「鶴瓶の家族に乾杯」の特集番組を見ました。鶴瓶さんと高齢の履き物屋さんのご店主が話している場面が映し出されていました。方言が強く字幕スーパーのおかげで話の内容がわかる状態でした。実によく笑う方で、自分で話しながら自分で大笑いをしていました。気がつくと何度も笑いに引き込まれてしまいました。話を聞いていると(字幕スーパーを読んでいると)何事にも感謝して生きていらっしゃることが伝わってきました。履物が売れなくてもおかげ様、歯がなくてもおかげさま・・・です。
世界や後世に名を遺す哲学者の方々が素晴らしいのはもちろんですが、このご店主の生き方や言葉には、金言がたくさんありました。
笑顔の瞬間を増やすことで、自分の人生を幸せなものにしていきたいと思います。
お読みいただきまして、ありがとうございます。
・次回の家族日記は
〈母の老健入居〉
を2022年3月23日(水)に予定しています。