がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第59話 想像する力

〈がん患者の家族の体験記〉

このBLOGは、がん患者の家族の回想録です。2010年~2019年までの9年間、大腸がん(横行結腸)・卵巣への転移・腹膜播種・肝臓への転移・腸閉塞でも、とても前向きに生き抜いた妻。患者家族である私が、その当時に書いた日記をもう一度読み返し当時の患者家族の気持ちを振返ってみました。

今日は、2015年8月の日記を読み返してみました。

 

2015年8月5日(水)の日記

・今度の土曜日に行く予定の「がんフォーラム」(秋葉原)。電車だと疲れるかなと思い「車で行こうか」と言ったら「そんなに悪いの」と聞かれた。
・そんなことはないのに、余計な心配をかけてしまった。反省。
・いつまでも元気が続きます様に・・・

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パンダは何を想っているのかな・・・(上野動物園

〈2015年の8月

肝臓に転移したがんの手術を終えて迎えた夏でした。J大付属練馬病院のM先生には、散歩や畑作業等は、日差しの強い日中より朝夕の時間帯の方が疲れが少なくて良いとのアドバイスをもらっていました。都心で開催されるセミナーへ参加するのに、車の方が疲れないかなと思って口にした言葉が、妻に不安を感じさせてしまった様でした。

〈想像する力〉 
相手の気持ちを想像することのできる人を “思いやりのある人” というのかもしれません。あまり考えすぎると何も語れませんし行動もできませんが、病気をしている人や悩んだり困っている状態にある人と接する時には、想像力が必要だと思います。

数年前のファミリーレストランでの光景です。スマホを見ながら食事をする父親と子供の姿を見ました。変わった親子だなと瞬間的に思い、良い感じを抱きませんでした。
しばらくしてドリンクバーへ行くときに、父子の脇を通った時に気がつきました。その父と子はスマホを使って会話をしながら食事を楽しんでいたのです。

自分の経験が創造する力の大きさに影響するとすれば、経験には限界があるので想像力の広がりにも影響します。限りある経験で大きな想像力を養うには、見たり・聞いたり・感じたりすることに精を出すことではないかと思っています。

                              

お読みいただきまして、ありがとうございます。

・次回の家族日記は

 〈家族で増冨温泉〉

を2022年3月19日(土)に予定しています。