がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第23話 ステージⅣ

〈がん患者の家族の体験記〉

2021年11月3日です。今日は、2012年8月を振り返ってみました。

このBLOGは、2010年~2019年までの9年間、横行結腸がん・卵巣転移・腹膜播種・肝臓転移・腸閉塞でも前向きに生き抜いた妻と家族の日記です。

その当時に書いた日記を読み返しながら、患者家族の当時の気持ちを書いてみました。

 

2012年8月2日(木)の日記

・午前8時10分、ママが手術室に向かった。午後1時少し前に病室に戻った。
・術中迅速診断で「大腸(横行結腸)がんの転移性がん」であることがわかった。
左卵巣と右卵巣と骨盤付近の腫瘍と疑いのある部位を切除した。
・約10日後に切除した腫瘍の検査結果が判明し、今後の治療方針が決定される。
・切除手術は無事に終了。次なる課題解決に向けてGO!!
・F病院での1回目の手術から595日目に、B医大で2回目の手術を実施。

 

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手術後しばらくしてから一緒に登った「天覧山」(標高195m)

〈2012年の8月

卵巣の左側に嚢腫を発見してから2ケ月が経過して、やっとの思いで手術をすることができました。そして手術から7日後、消化器外科と婦人科の先生から病理検査の結果と今後の治療方針の説明を受けました。

卵巣にあるがんは、卵巣がんではなく大腸からの転移がんでした。血液を経由しての転移ではなく、大腸にあったがんがお腹の中にある臓器を包み込んでいる “腹膜” という大きな袋の中に飛び散ったことによる転移との説明でした。

腹膜という大きな袋のあちこちに飛び散っている可能性があるため、今後新たながんを発見しても、現在の西洋医学の標準治療としては手術は実施しないで「抗がん剤治療」が中心となっていくとのことでした。

がんのステージは、この時 “Ⅱ” から “Ⅳ” になりました。B医大では、抗がん剤治療を実施していないとのことで、8月12日に退院することになりました。

 

セカンドオピニオン 

退院後に、大腸がんの手術を実施したF病院を訪ね、手術結果の報告と抗がん剤治療の相談をしました。

患者である妻は、大変なショックで絶望感を抱いたことだと思います。物静かで優しい女性でしたが、一生懸命に事実を受け止めようとしていることが伝わってきました。
患者の家族である私は、6月から8月までに費やした時間と心配を振り返り、安定した治療を安心して受けたいと痛感していましたので、セカンドオピニオンを受けるために練馬高野台にあるJ大練馬病院を8月25日に訪ねました。

抗がん剤治療を前提に、自宅から通いやすいこと、入院して抗がん剤治療をする場合を考慮して私の通勤途中の駅にあること、そして転移や再発などの万一に備え、すべての受診科があることが、この病院をセカンドオピニオンの訪問先に選んだ理由でした。

そして、たいへん素晴らしい先生に出逢うことができ、F病院とB医大の先生方とも相談のうえ、これまでの治療に関する資料を携えて、9月からJ大練馬病院で抗がん剤治療を開始することになりました。

                                 

お読みいただきまして、ありがとうございます。

 次回の家族日記は
 〈腹膜播種と抗がん剤治療〉

を11月6日(土)に予定しています。