がん患者の家族日記

腹膜播種の妻と過ごした体験談

第8話 桜の季節

〈がん患者の家族の体験記〉

今日は2021年8月25日です。今日は2011年4月を思い出してみました。

横行結腸がん・卵巣転移・腹膜播種・肝臓転移・腸閉塞でも前向きに生き抜いた妻。

これは、病気の妻と一緒に過ごした9年間の「がん患者の家族日記」です。

当時の日記を読み返しながら、患者家族である当時の気持ちを書いてみました。

 

 

2011年4月23日(土)の日記

抗がん剤治療で副作用が多くみられるようになった。先生と相談して休薬期間を1週間から2週間に延ばすことになった。

パートの仕事についても、一旦お休みをさせてもらった方が良いと思う。
再発を予防するために、抗がん剤治療を服用する。抗がん剤の服用で副作用がある。副作用で、抵抗力が低下する。疲れやすくなる。疲れを軽減するため仕事を一旦お休みすることを希望する。

 

 

 

f:id:friendly2019:20210825133301j:plain

金山公園の三春桜

 

〈がん患者と患者家族と桜の花

春になると咲く桜は、日本人にとって何だかとても心に響く花だと思います。
ましてや、がん患者や患者家族にとっては、一期一会の気持ちで、暖かな春に咲く桜の花を見ているのではないでしょうか。

東日本大震災後の最初の春です。散歩で行った金山公園で “福島県の三春桜” を見たことを懐かしく思います。毎年咲くことを当たり前のように思ってきましたが、妻が病気をしたことで、桜への思いが深くなったような気がします。

4月頃は、退院後に開始した抗がん剤治療の副作用が強くなってきた頃で、投与の間隔を延長してもらったり、量を減らしてもらったりしていました。

 

〈2019年の春〉 

この日記から8年後の2019年7月27日に妻は亡くなったのですが、その16日前の19年7月11日に母も亡くなったのでした。

19年4月に母の入居する施設を訪ね、桜の咲く庭を車いすで散歩をした時に「今年も桜を見ることができて良かった」と母は言っていました。

同じく19年4月。妻と金山公園の横を流れる柳瀬川で桜を見ました。椅子をおいて、ほんの短い時間の花見でしたが、妻は微笑んでいました。
(毎日の散歩コースの柳瀬川でしたが、歩いて行くことができず車で行きました)

私にとって2019年4月の桜は、心に残る桜となりました。

 

                                   

 

お読みいただきまして、ありがとうございます。

次回の家族日記は
〈母の日のバーベキュー〉
を28日(土)に予定しています。